規模別に会計事務所の特徴をまとめました。就職先を決める際の参考にしてください。
【小規模事務所】 代表の税理士先生が主に顧客対応をしますので、それ以外のスタッフは、補助業務となります。作業に付加価値がないので、給与条件はそれほどよくありませんし、実力をつけることもできません。なかには、社会保険に加入していない事務所もあります。ただ、基礎的な訓練をつむことはできますので、他に選択肢がなければ、2~3年経験を積んでからキャリアアップするのも一案でしょう。ときたま、労働保険にすら加入していない事務所もありますが、労働保険は強制加入ですので、未加入はコンプライアンス違反です。なるべくなら、最低限の法律も守れないような事務所は敬遠しましょう。
【中小規模事務所(6人~19人)】 担当を任されることも多く、総合的なスキルを身につけるには、ちょうどよい規模です。ただ、成長がとまった事務所や、外回りができない事務所、担当を任せてもらえない事務所も中にはあります。こういった事務所に就職すると成長の機会を逸し、偏屈な発想が身に染み付いてしまいますので注意してください。
当事務所は、この区分の下の方(笑)に属しております。ただ、成長性は低くはないと自負しております。
【大手事務所(100人~)】 仕事の中身は、中小規模事務所と変わりません。ただ、大手事務所の中には、BIG4を上回るほど、激務の事務所も多いので注意してください。繁忙期でなくとも1日12時間以上、働かされる事務所も少なくありません。会計事務所は、大きな事務所になるほど競争が厳しくなり激務になる傾向があります。組織がしっかりしているので、担当者になるのは2年ほど補助者として経験を積んだ後です。担当となったあとも、重要な事項は、部門長の判断を仰がなければならないので、部門長が力のある方ならバランスよく実力を身につけられますが、部門長の税務的な判断能力に問題があると、かたよった考えが身についてしまいます。また大手事務所は、体育会系的なのりで残業が続いたり、宗教的ともいえる雰囲気をもっていたりする事務所も少なくありません。友人などのつてをたどって、希望の事務所の雰囲気を確かめておくべきです。ご自分との相性をよく検討されてから入所を決めるべきでしょう。
【特化型の事務所】 医療、資産流動化、資産税、M&A、IPO、企業再生、外資系企業に特化した事務所。特定の領域に強くなることができます。その特定分野の専門家としてやってゆくつもりなら、特化型の事務所に就職するべきです。ただ、特化型のサービスは、浮沈が激しいので、どの領域に特化するかは慎重に選ぶ必要があります。たとえば、資産流動化やIPOコンサルティングのようにブームがすぎると売上が激減してしまうこともあります。また、特化型というとカッコよく聞こえるのですが、言い換えるとひとつのことしかやらないということなので、意外に単調でつまらなかったりします。イメージと実態とはかけ離れていることが多いので、最初はさまざまな業種のお客様を経験することをお勧めします。
【派遣業務中心の事務所】 お客の経理部門へ、スタッフを派遣することを主な業務とする会計事務所です。派遣されたスタッフは、お客の会社で1社員として、派遣された会社の上司の指示にしたがって仕事をします。会計事務所に入れないときに基礎的なキャリアを積むにはよいでしょう。しかし、税理士としての顧客対応スキルは、身につけることはできません。あくまで、基礎力養成のためだと思ってください。派遣スタッフは、昇給することもありませんし、仕事の中身がレベルアップすることもありません。ずるずると長居してキャリアアップのチャンスを失わないように注意する必要があります。
【BIG4】 トーマツ、新日本、KPMG、PWCの4つの国際会計事務所をBIG4といいます。大手クライアントが多いので、業績も安定しており、かつ、給与条件も良好です。ただ、社内競争が厳しく、激務です。中小にくらべて数十万円~100万円は、報酬が高いですが、終電帰りが続くことも頻繁です。大手上場企業等に対して、高度の税務サービスを提供しています。特定に分野の税のエキスーパートになりたいというかたにはよいかもしれません。サービスの相手方は、主に大企業の経理部となります。経理の専門家に税のエキスパートが税の解釈をするというイメージです。魅力的な仕事ではあります。ただ、中小企業の経営者に生きた税務指導、経営指導をしてみたいという方には向きません。また、パートナーになればかなりの高収入が保証されますので組織志向の方には向いているかもしれません。ただ、BIG4は、早慶等の高学歴の若年合格者や、公認会計士出身者を優遇しますので、昇進競争に生き残るのはとても難しいということを覚悟してください。