税理士は、中小企業に対して、健全な税務判断を提供し、適正に納税義務を果たしてもらわなければなりません。
まずは、これが基本です。
この基本なしに、税理士業務はありません。以下、追加意見をごちょごちょと書きますが、この基本をまずご理解ください。
最新の税務にキャッチアップしつつ、正しい税務判断ができなければ、出発点に立てません。
ただ、中小企業の経営者は、もっと多くのことを税理士に期待しています。理由は簡単です。税理士の高い判断能力を経営に生かしたいと考えているからです。
資金繰りや事業計画に関する助言、経営分析によるアドバイスを顧客は望んでいます。
では、そういったサービス技術を手取り足取り教えてくれる事務所はあるのでしょうか?
答えは、50%イエスで50%ノーです。
研修制度完備という話を良く聞きますが、成功した税理士から、研修制度で学んだことが役に立ったという話を聞いたことがありません。
わたしも研修はいくつも受けましたが、そのほとんどは、本屋でノウハウ本を買って読んだほうがましだったというレベルです。
当事務所も研修には力をいれており、実務的なノウハウに絞って講義していますが、それだけで力をつけることはできません。
もっとも重要なので、経験する機会を与えられるかどうかなのです。
新しい仕事に直面したときに、事務所から、助言や助力が得られるかどうかが大切なのです。
たとえば、事業計画というサービスがあります。多くの税理士事務所がサービスラインに掲げています。
お客から事業計画をつくってよと頼まれたとします。大変な要請ですが、プロとして成長するにはとても良い機会です。事業計画は、これからの税理士には、不可欠なスキルです。
この不可欠なスキルを学ぶための最初の難関は、事務所が応援するかどうかです。
そんな仕事は税理士の仕事じゃないと代表が、切り捨てるようであればそこで終わりです。せっかくの成長の機会が奪われます。
仮に代表がやりなさいと励ましてくれたとします。励まされたスタッフは、お客に喜んでもうおうと自分でいろいろと調べます。でも、初めてのことなので、ネットで調べたり、本で読んだりしても、どうしてもわからないことに遭遇するでしょう。そのときに教えてくれる先輩がいるかです。これも事務所の方針が影響します。事業計画を積極的にサービスすべきという考えを代表がもっていれば当然に事務所の先輩が、同じ課題に遭遇しているはずであり、そこには、事例や知恵や経験が蓄積しています。さらに気の利いた事務所なら、研修があったりするでしょう。
お客に喜ばれるサービス技術は、仕事を通じてしか学べません。しかもとても長い時間がかかります。仕事を通じて、経営助言、資金繰り、経営計画等の技術について学ぶチャンスがあるかどうかはとても大切です。事務所にできるのは、みなさんの成長をじゃましないことです。誰かが手取り足取り、懇切丁寧に、教えてくれると思っているひとは永遠に成長しません。
問題なのは、多くの税理士事務所では、成長する素養と動機付けのある多くの若者のチャレンジを、つぶしてしまっているということです。事務所が応援し、悩んでいるときに助けてくれる先輩や上司がいれば、大きく飛躍できる可能性をつぶしてしまっているのです。
短い面接で、こういった税理士事務所のカルチャーを見抜くのは大変なことですが、とても大切な視点ですので、是非にご留意ください。